「漢方薬を飲んでどれくらいしたら効果がでてきますか?」「漢方薬は長く飲まないと効かないんですよね」といった質問をよく受けます。
同じ病名でも、病気になってからの期間や病状の軽重、その人の体質などによって、まさに千差万別ですが、一応の目安を紹介しておきます。
たとえば、風邪や急性胃腸炎など、いわゆる急性病の場合、早く治療すれば一両日中に効果が出始め、短期間で治ります。
高血圧や不眠症、慢性肝炎を始めとする慢性病、リウマチや潰瘍性大腸炎などの難病(特定疾患)は、病気の根が深いため、ある程度は漢方薬を飲み続ける必要があります。
当薬局では、最初7日~14日分の薬を服用していただき様子をみさせていただいております。慢性病や難病でも、漢方薬がピタリと合えば症状はかなり改善されますが、一般に漢方は原因療法であるため、体調が良い方向へ変化するまでには時間を要することが多いといえます。
また、一番治して欲しい病気や症状に変化がなくても、付随した症状が改善されたとき、たとえば「血圧を下げて欲しい」と漢方療法を始められた方で、血圧はあまり変化がなかったけれど、だるみが取れてきたり、食欲が出てきたりしたような場合は薬が効いてきた証拠です。
さらに服用を続けられるとよいでしょう。次第に血圧も下がってきます。服薬して何も体調に変化がなかったときは、薬を代えることがあります。
時に、慢性病などで、2週間程度服薬されただけで止められる方がいらっしゃいますが、最低2~3ヶ月は服用されないと漢方の真価は発揮されません。
いずれにしても、わずかな服用期間で変化がないからといってあきらめず、定期的に相談して2~3ヶ月は服用してみてください。
きっと、あなたに合った漢方薬が見つかるはずです。
漢方医学と西洋医学の違い | 漢方薬は効き目が遅い? | 煎じ薬とエキス剤の違い |
西洋薬と併用について | 漢方薬には副作用は? | 未病とは? |